日々の事業推進、誠にお疲れ様です。
現在、多くの企業で生成AIの導入が進んでいますが、現場では以下のような課題が生じていないでしょうか。
- 「AIへの指示出しに時間がかかり、逆に生産性が落ちている」
- 「担当者によってAIのアウトプット品質にバラつきがある」
- 「毎回同じような説明をAIに入力しており、手間に感じる」
これらは、AIを単なる「便利なツール」として扱い、「教育(ナレッジの蓄積)」を行っていないことが原因です。
本稿では、現在貴社でご利用中のプロンプト作成ツールはもちろん、今後の自社運用においても不可欠となる「情報の資産化・管理手法」について共有いたします。
ITに詳しくない方でも即座に実践できる内容ですので、ぜひ貴社の業務フローに組み込んでみてください。
■ AI活用の鍵は「都度指示」ではなく「事前定義」
AIに毎回ゼロから背景を説明するのは、優秀な秘書に対して、毎日会社の理念から説明し直すようなものです。これでは非効率です。
効率化のポイントは、貴社の情報を「7つの知識データ(引き出し)」として定義し、いつでも取り出せる状態にしておくことです。
■ 事業資産となる「7つの知識データ」分類
業務に必要な情報は、以下の7カテゴリに整理して管理することを推奨します。
- 【A】企業理念・スタンス(貴社のMVV、ブランドの価値観、NG事項など)
- 【B】ターゲット顧客情報(ペルソナ詳細、顧客の悩み、インサイト、購買動機)
- 【C】企画コンセプト(当該プロジェクトの戦略、テーマ、訴求ポイント)
- 【D】トンマナ(トーン&マナー)(ブランドの世界観、文体ルール、デザインの方向性)
- 【E】指示プロンプト型(成果が出た指示書のテンプレート、再現性のある型)
- 【F】過去の成果物・実績(過去のLP、ブログ、成功事例などの参照データ)
- 【G】独自メソッド・ノウハウ(貴社独自の理論、フレームワーク、専門用語の定義)
■ ツール別・運用ルール
整理したデータは、貴社の利用環境に合わせて以下のように運用してください。
1. こちらの「穴埋め式プロンプト」をご利用の場合
現在導入されている、テンプレートの空欄を埋めていくタイプのサービスを利用する際は、「適した箱(入力欄)」に、定義したデータを正確に収納してください。
- 毎回その場で考えるのではなく、上記で定義した【B】ターゲット情報や【G】独自メソッドを、対応する入力フィールドにコピー&ペーストする運用を徹底します。
これにより、どのテンプレートを使用しても貴社らしい一貫性のある回答が得られます。
2. 自社でAI活用(ChatGPT等を直接利用)する場合
ツールに依存せず、社内で広く生成AIを活用される場合は、クラウド上のフォルダ管理を推奨します。
- Googleドキュメントや社内サーバーに「AIナレッジ」フォルダを作成し、その中に【A】〜【G】のサブフォルダを作成してください。
- 各フォルダにテキストデータとして情報を保存し、全社員がアクセスできるようにします。
- 業務開始時に、必要なドキュメントを開き、AIに「参照情報」として読み込ませることで、誰でも高水準のアウトプットが出せるようになります。
■ 知識データの「自動生成・整理」フロー
「これらをすべて手動でまとめるのは骨が折れる」と思われるかもしれません。
そこで、AIとの業務終了後に、以下の指示(プロンプト)を実行してください。
AI自身に、ここまでの作業内容を分析させ、上記の7カテゴリに自動分類・整理させる手法です。
【手順】
- 通常通り、AIを用いて業務(記事作成、壁打ち等)を行う。
- 作業の最後に、下記の「整理用プロンプト」をコピーして貼り付ける。
- 出力された情報を、前述のGoogleドキュメント等に保存、またはプロンプトサイトの該当箇所に入力する。
これを行うだけで、業務をこなすたびに貴社の「専用ナレッジ」が蓄積され、次回以降のAI精度が飛躍的に向上します。
▼ コピー用:知識データ抽出プロンプト
以下のテキストボックス内をコピーし、AIへの指示としてご活用ください。
# 命令
ここまでの会話履歴(作業内容)を分析し、私の「知識データ」として保存・再利用できるように、以下の【指定フォーマット】に従って情報を抽出・整理してください。
# 目的
今回の作業で得られた「著者の特徴」「ターゲット情報」「独自ノウハウ」「成功した指示パターン」などを資産化し、次回の作業(記事、LP、動画、講座制作など)の効率化・品質向上につなげるため。
# 指定フォーマット(以下のカテゴリに分類して出力)
## 【A】書き手(著者・制作者)プロフィール・価値観・スタンス
* **今回の発見・強化ポイント**: (著者のこだわり、NG事項、大切にしている価値観、ブランドの方向性など、「人」に関する情報)
## 【B】ターゲット像/ターゲットの悩み・望み
* **ターゲット属性**: (今回想定した読者、受講生、クライアント)
* **悩み・インサイト**: (ターゲットの課題、刺さった訴求ポイント)
## 【C】制作テーマ・企画コンセプト・重要要素
* **業務種別**: (例:記事執筆、LP制作、動画シナリオ、講座企画、戦略立案など)
* **採用コンセプト**: (企画の核となったテーマ、戦略の柱、動画のフックなど「今回の企画」固有の情報)
## 【D】トーン&マナー(世界観・デザイン)
* **採用したトーン**: (例:親しみやすい、権威性がある、エモーショナルなど)
* **表現・演出の特徴**: (語り口調、視覚的な雰囲気、動画のテンポ感など、再現性を高めるルール)
## 【E】プロンプト・AI指示テンプレート
* **効果的だった指示(型)**: (今回意図通りに動いたプロンプトの構成や、指示の出し方。次回コピペで使える形式で)
## 【F】過去のAI出力実績・サンプル・成果物
* **要約**: (何を作ったか)
* **成果物(抜粋)**: (完成したアウトプットの重要部分、構成案、または全文へのリンク)
## 【G】独自メソッド・提供ノウハウ・商品情報
* **体系化された知識**: (今回使用した独自の理論、ステップ、法則、フレームワーク、講座カリキュラムの内容など、「武器」となる情報)
* **専門用語・定義**: (社内用語や、独自の言葉の定義)
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**出力時の注意点:**
* 箇条書きで簡潔にまとめること。
* 次回、AI(あなた)にこの情報を渡せば、すぐに文体や企画意図を再現できるレベル具体的に書くこと。
* 該当する情報がないカテゴリは「なし」として省略可。
本手法を取り入れることで、AIは単なる「作業ツール」から、貴社の事業を深く理解した「専属の参謀」へと進化します。
ぜひ、本日からチーム内での運用を開始してみてください。
ご不明な点がございましたら、定例ミーティング等にてサポートさせていただきます。
